自閉症で重度の特徴は日本ではまだ知的障害の程度で判定されている!
ここでは、「自閉症で重度の特徴」についてお話します。
自閉症は、脳の器質的な特性によって引き起こされる先天的な障害であること、
症状は知的障害を伴うものから知的障害のないものまで、
様々であることをお話してきました。
自閉症の程度の表現方法はあるの?
アメリカのノースカロライナ州の自閉症治療教育プログラム
(TEACCH)で用いられている「小児自閉症評定尺度(CARS)」
というもので自閉症の有無、程度が数値化され、表現出来ます。
この方法は、自閉症を勘に頼らず、きちんと数値化し、評価するのが目的です。
検査項目は15項目です。トレーニングを受けた検査者が
時間をかけて子供を観察して
(1)正常範囲内〜(2)軽度の異常〜
(3)中度の異常〜(4)重度の異常という評価点をつけていき、
総得点が30点以上で「自閉症」と診断します。
また、30点未満でも高機能自閉症などの可能性は否定しません。
自閉症かどうかの判定だけでなく、一人一人にあった指針を見出すものです。
ただ、残念ながらこの検査は、
日本のどこでもされているものではなく
かなりの地域差があります。
自閉症の重度はどんな特徴があるの?
一般的に日本ではまだ、残念ながら、「自閉症の程度」は
「知的障害」の程度で判断されています。
上でお話したようなCARSの検査を出来る専門家が少なく、
福祉サービスの有無を判定するのに、知能検査、
発達検査(田中ビネー、新版K式発達検査など)が一般的だからです。
最重度、重度、中等度、軽度の4段階に分けられています。
自閉症の場合、知的障害が重いほど自閉度も高くなる傾向がありますが、
知的障害が軽くても自閉度が高いという場合もあり、
福祉サービスの判定とは合っていないこともよくあります。
自閉症のサポートは知的障害の有無ではなく、自閉症かどうかが重要です。
自閉症と診断されたなら、
PEP−3(自閉症・発達障害児教育診断検査)などを受け
(発達障害者支援センターなどで)
療育プランを立て、少しでも早くサポートを始めましょう。
自閉症は障害で病気ではありません。
完全に治るというものではありませんが、
早期療育によって自閉症の症状はかなり軽減されます。
私の経験をお話しますと、長男の場合「療育手帳」を頂いたのは
確か、5歳になってからでした。
その時に診断されたのは「自閉症による中度の知的障害」でした。
それから、数年おきにお医者様に診断して頂いて、
2015年現在、未だに「中度の知的障害」です。
何を持ってして「軽度」「中度」「重度」の診断が下されるのかは、
私には分かりません。
ただお医者様からは「知能が小学生低学年程度」とだけ、
言われております。
確かに26歳になった現在でも、大好きなテレビ番組は、
Eテレの「おかあさんといっしょ」です。
けれども、私にとっては「永遠の小学生」ですので、
まるで幸せを運んでくれる「ピーターパン」のように思えて
毎日を生きていく「生きがい」的な存在に育ってくれたのでした。